40代になり、ふとこれからのことを考える機会が増えた人もいるのではないでしょうか。
今すぐ生活に困っているわけではない。
仕事もしているし、一人で暮らすことにも慣れている。
それでも、
「この仕事をずっと続けるのかな」
「親も年を取ってきた」
「自分が病気になったらどうするんだろう」
「この先も一人で暮らすなら、お金はいくらあればいい?」
「老後はどこに住んでいるんだろう」
と考え始めると、仕事、お金、親、健康、住まい、人間関係まで、全部が一つの大きな不安に見えることがあります。
内閣府の調査でも、40〜54歳は将来への不安が高い傾向にあり、年金、高齢期の仕事、介助が必要になること、将来の生活など複数の不安が挙げられています。
ただ、40代になったからといって、この先の人生を今すべて決める必要はありません。
まず必要なのは、将来を完成させることではなく、「今確認した方がいいことと、まだ決めなくていいことを分けること」です。
この記事では、40代独身女性が将来に不安を感じたときに確認しておきたい6つのことと、今から準備すること・まだ決めなくていいことの整理方法を紹介します。
参考:内閣府男女共同参画局「令和4年版 男女共同参画白書」
「独身だから不安」と一つにまとめなくていい

将来について考え始めるきっかけは、人によって違います。
40代という年齢そのものではなく、
- 自分の体調が変わった
- 今の仕事を続けるイメージが持てなくなった
- 収入が減った
- 親が病気になった
- 住んでいる家について考える出来事があった
- 周囲の結婚・出産・住宅購入を見た
- 一人でいる将来をふと想像した
など、生活の中の出来事から不安を強く感じるケースは少なくありません。
そのため、「独身だから将来が不安」とまとめるのではなく、「自分は何が気になっているのか」を先に分けた方が、必要な準備が見えやすいです。
たとえば、お金が気になっている人と、親のことが気になっている人では、今やるべきことは違います。
一人でいることそのものは好きだけれど、病気になったときだけ不安という人もいるでしょう。
強く不安を感じているからといって、全部を一度に解決しようとしなくて大丈夫です。まずは今の自分と向き合って、何について考える必要があるのかを整理してみましょう。
ただし、中には漠然と不安を感じている方もいるかもしれません。こちらの記事では、「このままの人生でいいのかな?」と不安を感じたときのヒントをご紹介しています。
40代独身女性が今確認しておきたいこと

40代でこれからの暮らしを考えるなら、もしものときも含めて確認しておきたいことはいくつかあります。
ここでは、仕事やお金だけに偏らず、6つの視点から見ていきます。
1.お金|「老後にいくら必要?」より、まず今の状態を知る
将来のお金が気になったとき、いきなり「老後資金はいくら必要か」を調べ始めると、大きな数字ばかりが目に入り、余計に不安に感じてしまうかもしれません。
お金でまず確認したいのは、以下のような今の自分のお金の状態です。
- 収入はいくらあるのか
- 毎月どのくらい使っているのか
- 固定費はいくらか
- 今ある貯蓄で、収入が一時的に減った場合にどの程度対応できそうか
金融庁も、家計管理の基本として収入と支出を把握・管理することを挙げています。併せて、必要なお金やタイミングはライフスタイルによって異なるため、自分の希望に合わせて生活設計を考えることが重要としています。
年金が気になる場合も、「独身女性なら○万円必要」といった数字だけで考える必要はありません。
日本年金機構の「ねんきんネット」では、自分の年金記録を確認でき、現在と同じ条件で働いた場合だけでなく、今後の働き方や受給開始年齢などの条件を変えて将来の年金見込額を試算できます。
まず自分の数字を知ってから、必要な備えを考える方が現実的です。
参考1:金融庁「資産形成の基本」
参考2:日本年金機構「ねんきんネットによる年金見込額試算」
2.仕事|今の仕事を一生続けるか決めなくていい
「この仕事を60代まで続けるのかな」と考えると、一気に答えを出したくなることがあります。
でも、今の仕事を一生続けるのか、転職するのか、独立するのかを40代の今すべて決める必要はありません。
それより、
「今の働き方をあと数年続けられそうか」
「収入が減ったときに対応できるか」
「体力的に無理がないか」
「いつかやってみたい仕事はあるか」
を考えてみましょう。
将来やってみたい仕事があるからといって、その仕事を今すぐ始めなくても構いません。
資格が必要なのか、経験が必要なのか、学び直す必要があるのか。
必要なものだけ逆算して、今できる準備を始めることはできます。
将来の仕事を決めることと、将来選べる仕事を増やすことは別です。
今の仕事を続けるか自体で迷っている場合は、仕事についてもう少し深く考えてみるといいかもしれません。
以下の記事では、仕事を続けるか迷ったときに考えるべきポイントについて解説しています。
3.健康|将来の自由を支えるものとして考える
お金があっても、体調によってできることが制限されることはあります。
だからといって、将来病気にならないように完璧な生活をしなければならないわけではありません。
今の健康状態を知り、必要な健診や治療を後回しにしないことも、将来の選択肢を残すための準備です。
40〜74歳の医療保険加入者は、生活習慣病予防を目的とした特定健診の対象となっています。
健康を「老後のために我慢するもの」と考えるより、「これからも行きたい場所へ行き、やりたいことをするための土台」と考えると、少し捉え方が変わるはずです。
参考:厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」
4.親・家族|一人で全部抱える前提を作らない
40代になると、自分の将来だけでなく、親のことを考える機会が増える人もいます。
とはいえ、今から介護のすべてを想定することはできません。
- 親がどこで暮らしているのか
- 困ったときに誰へ連絡するのか
- 家族の中でどんな話をしておいた方がよいのか
- 親と今のうちに話しておきたいことはあるのか
まずはその程度からでも十分です。
実際に介護が必要になった場合には、各市町村の地域包括支援センターが介護などに関する総合相談窓口となっています。家族だけで解決方法を探す必要はありません。
「独身だから自分が全部やらなければ」と、先回りして背負わないことも大切です。
参考:厚生労働省「家族介護に直面している方への支援」
5.住まい|一生住む場所を今決めなくてもいい
持ち家か賃貸か。
都会か地方か。
今の家にいつまで住むのか。
住まいを考え始めると、大きな決断ばかりに見えます。
でも、まず確認しておきたいのは、
- 今の家に住み続ける場合に困りそうなことはあるか
- 家賃や住宅費は無理のない範囲か
- 交通、買い物、医療など生活に必要な場所へ行きやすいか
- 今後引っ越したくなったときに動ける状態か
といった現在地です。
国の住宅政策でも、単身世帯の増加などを背景に、高齢者を含む住宅確保要配慮者への賃貸住宅支援が進められています。
将来の住まいについて考えておくことと、今すぐ「終の住処」を決めることは同じではありません。
参考:国土交通省「住宅セーフティネット制度」
6.人とのつながり|結婚だけを答えにしない
「この先ずっと一人だったら寂しいかもしれない」と思うこともあるかもしれません。
ただ、その不安だけを理由に、結婚を唯一の答えにする必要はありません。
結婚していることや子どもがいることだけで、将来の状況をすべて予測できるわけでもありません。
将来の人間関係を考えるときは、「誰かと結婚するか」だけではなく、
- 今大切にしたい人はいるか
- 一緒に楽しめる人がいるか
- 仕事以外にも人と関われる場所があるか
- 一人で過ごす時間を自分はどう感じているか
という視点も大切にしましょう。
友達をたくさん作ったり、無理にコミュニティへ入ったりする必要はありません。
大切なのは、自分にとって心地よいつながりを残しておくことです。
「結婚したいのか、それとも将来一人になることが怖いのか」が分からなくなった場合は、その二つを分けて考えてみると整理しやすくなります。
結婚したいのか、それとも一人が不安なのか、考えてもなかなか答えが出ないこともあるでしょう。以下の記事では、結婚という選択肢の考え方をまとめています。
将来のために、今すべてを決めなくてもいい

将来が不安になると、
「どこに住む?」
「結婚する?」
「仕事は?」
「老後はいくら必要?」
「何歳まで働く?」
と、一気に答えを出そうとしてしまうことがあります。
でも、10年後や20年後の自分が何を望んでいるのかは、今の自分には分かりません。
社会や仕事の環境も変わります。
健康状態も、人間関係も変わるかもしれません。
だから、「逆算はしても、人生を固定しない」という考え方も一つの方法です。
そのとき「住みたい」と思った場所へ動けること。
「やってみたい」と思ったことを選べること。
そのために、お金や健康、仕事の選択肢などを少しずつ整えておけば、将来の選択肢を残しやすくなります。
何も決めていないことと、何も考えていないことは違います。
決めないからこそ、選べる状態をつくっておく。
それも一つの人生設計です。
お金は「老後のため」だけではなく、選択肢を残すための備え

お金だけで将来の不安がすべてなくなるわけではありません。
それでも、
- 病気になったときに仕事を休む
- 親のことで必要な場所へ動く
- 住む場所を変える
- 嫌な仕事を無理に続けない
- やりたいことに挑戦する
こうした選択には、お金が必要になることがあります。
たとえば、収入に余裕がある時期に貯金や投資を始めておいたことで、その後収入が減ったときに、貯めていたお金に助けられることもあるでしょう。
もちろん、「貯金や投資をすれば安心できる」という話ではありません。
ただ、将来のために用意していたものが、老後よりずっと前に自分を助けてくれることもあります。
自分の人生をできるだけ自分で選びたいなら、必要最低限の備えを持っておくことは、その自由を守ることにもつながります。
将来への準備だけで、今の40代を使い切らない

将来について考えることは大切です。
でも、
- 老後のために貯める
- 病気にならないように気をつける
- 将来のために勉強する
- 人とのつながりを作る
と、未来への準備ばかりになってしまうと、今の生活が後回しになってしまいます。
- 旅行したいならする
- 興味のあることを学ぶ
- 好きな服や美容を楽しむ
- 体を動かしてストレスを発散する
- 初めての場所へ行く
- 何もしない休日を過ごす
そうした時間も、これからの人生の大切な一部です。
将来に何が起こるかを完全に予測することはできません。
だからこそ、できる範囲で「楽しい」「やりたい」と思える選択を今の生活にも残しておく。
将来への備えと、今を楽しむことは、どちらか一方を選ぶものではありません。
不安になったら「4つ」に分けてみる

将来について考え始めたときは、気になることを書き出して、次の4つに分けてみてください。
今、確認すること
現在の収入と支出、貯蓄、年金の見込み、健康状態、親の状況、今の住まいなど。
少しずつ準備すること
貯蓄、健康管理、仕事のスキル、やってみたいことに必要な経験など。
まだ決めなくていいこと
結婚するかどうか、老後にどこへ住むか、家を買うか、何歳まで今の仕事を続けるかなど。
今のまま残したいこと
好きな時間の使い方、大切な人との関係、仕事の良い部分、趣味、一人でいられる自由など。
将来を考えるときは、「何を変えるか」ばかりに目が向きます。
でも、「今の生活で気に入っているものを残す」ことも、自分が満足できる人生を考えるうえでは大切です。
40代の今、人生を完成させる必要はない
40代独身女性の将来について調べると、お金、仕事、老後、住まい、孤独など、たくさんの課題が出てきます。
全部を読んでいるうちに、「こんなに準備しないといけないの?」と不安に思う方もいるでしょう。
でも、すべてに対して、今すぐ答えを出す必要はありません。
自分が何を不安に感じているのかを知る。
今分かることは確認する。
必要なものは少しずつ準備する。
まだ分からないことは、今は決めない。
そして、今の生活で大切にしたいものは残しておく。
こういったことを少しずつ積み重ねていくことで、不安が軽減されたり、これからどうしたいのかが見えてきたりすることがあります。
将来を考えることは、未来を一つに決めることではありません。
これから何かが変わったときに、自分で選べる余地を残しておくこと。
そのために今できることから、少しずつ整えていきましょう。
