40代でやりたいことがわからないとき|答えを決めるより、まず試してみる

「何か新しいことを始めたい気持ちはある。でも、何をしたいのかは分からない」
「転職サイトを見ても、特にやりたい仕事が見つからない」
「周りは仕事や趣味、家庭など、それぞれ自分の人生をちゃんと生きているように見える。それに比べて私は、これから何をしたいんだろう」

40代になってそんなことを考え始めると、早く答えを見つけなければならないような気持ちになることがあります。

でも、やりたいことは、最初からはっきり分かるものとは限りません。

一生続けるものに決めなくてもいいし、仕事にしなくてもいい。考えても分からないなら、少し気になることを試しながら、自分に合うものを探していく方法もあります。

この記事のゴールは、「本当にやりたいこと」を一つ決めることではありません。

まだ答えがなくても、次に何を試してみるかを一つ選べること。

そこから始めてみましょう。

    40代でやりたいことがわからなくても、今すぐ答えを決めなくていい

    40代でやりたいことが分からないからといって、人生の方向性を今すぐ決めなければならないわけではありません。

    そもそも、やりたいことがずっと変わらない人ばかりではありません。

    以前は夢中になれたことに興味がなくなることもあれば、長く目指していたものを達成したあと、次に何を目指せばいいのか分からなくなることもあります。

    Re:Create.me編集部にも、10年以上追い続けてきた目標を達成したあと、人生で初めて「やりたいことがない」状態になった経験を持つライターがいます。

    目標があった頃は、それを追いかけることが生活の一部でした。

    だから、なくなった直後は、

    「次は何を目指せばいいんだろう」
    「このまま目標がない人生を送って、何が楽しいんだろう」

    という焦りが強くありました。

    友人から「今は人生の夏休みだと思って、少しゆっくりしたらいい」と言われても、一時的には落ち着くだけで、また次の日には「どうしよう」と考えてしまったそうです。

    これは一人の経験であり、40代女性全体に当てはまる話ではありません。

    ただ、ここから分かるのは、「急いで決めなくていい」と頭では理解できても、すぐに焦りがなくなるとは限らないということです。

    だから、無理に「焦らない自分」になろうとしなくても構いません。

    答えがないなら、答えがない状態でできることを考えていきましょう。

    「やりたいこと」を大きな答えとして探しすぎない

    「私はこれから何をしたいんだろう」

    この問いに答えられないときは、問いが大きすぎることがあります。

    転職する。
    独立する。
    資格を取る。
    新しい仕事を始める。
    人生をかけられる趣味を見つける。

    そんな完成形から考え始めると、どれもしっくりこなくなるかもしれません。

    そんなときは、「やりたいこと」ではなく、もう少し小さな単位まで下げてみます。

    たとえば、

    文章を書くことが少し気になる。
    体を動かしたい。
    ずっと気になっていた場所に行きたい。
    知らない場所に行ってみたい。
    何かを作る時間がほしい。
    人に教えることには興味がある。
    昔やっていたことをもう一度やってみたい。

    この段階では、「これが私のやりたいことです」と言い切れなくて構いません。

    「少し気になる」くらいで候補に残しておくことが大切です。

    「やりたいこと」ではなく「気になること」を集める

    やりたいことが分からないときに、最初から一つに絞る必要はありません。

    むしろ、「これは違うかな」と早い段階で候補から外しすぎると、何も残らなくなります。

    「仕事になるほどではない」
    「得意とは言えない」
    「今さら始めても遅そう」
    「一生続けるとは思えない」

    そんな判断はいったん後回しにしましょう。

    今見るのは、

    少しでも自分の気持ちが動くかどうか

    です。

    人がやっているのを見ると気になる。
    なぜか何度も検索してしまう。
    一度くらい体験してみたい。
    昔好きだった。
    詳しい人の話を聞いてみたい。

    それくらいで十分です。

    まだ「やりたい」と言えるほどではないものも、探索の候補になります。

    考えても分からないことは「仮説」にして試してみる

    自己分析を続けても分からないなら、

    「私はこれが好きなのかもしれない」

    くらいの仮説にして、一度試してみる方法があります。

    たとえば、ダンスが気になるなら、いきなり「これからダンスを趣味にする」と決めなくても、体験レッスンへ行ってみる。
    旅行が好きかもしれないと思うなら、大きな旅を計画する前に、一人で近場へ出かけてみる。
    文章を書くことが気になるなら、スクールへの申込みより先に、自分で何本か書いてみる。
    新しい分野を学びたいなら、長期講座へ申し込む前に、入門書や短い講座から触れてみる。

    探索の段階では、

    段階やること
    気になる調べる、人の話を見る
    触れてみる体験する、短時間やってみる
    少し続ける数回・数週間など期間を区切って試す
    振り返る続けたいか、違ったかを考える


    くらいで大丈夫です。

    重要なのは、「行動できた自分はえらい」と評価することではありません。
    実際に触れることで、考えているだけでは得られなかった判断材料を増やすことです。

    試したあとは「楽しかったか」だけで判断しない

    何かを試したら、「楽しかった・楽しくなかった」の二択だけで評価しないようにします。

    もう一度やりたいと思うか。
    もう少し詳しく知りたいか。
    やっている時間そのものは嫌ではなかったか。
    続けるために必要なお金や時間は無理がないか。
    月に一度なら楽しいのか、毎週でも続けたいのか。
    趣味なら好きだけれど、仕事にはしたくないのか。
    思っていたものとは何が違ったのか。

    こうして見ていくと、

    「すごく好きではないから失敗」

    ではなくなります。

    「月に一度なら楽しめそう」
    「見るのは好きだけれど、自分でやるほどではなかった」
    「興味はあるけれど、今の生活には入れにくい」
    「趣味なら続けたい」

    という答えも、十分な発見です。

    やってみてやめても、探索は無駄にならない

    新しいことを始めると、「せっかく始めたのだから続けなければ」と考えることがあります。

    でも、やりたいことを探している段階なら、続けないという結論に至っても問題ありません。

    体験してみたけれど違った。
    数回やったら満足した。
    好きではあるけれど、自分でやるより見るほうが楽しい。
    仕事にできそうだと思ったけれど、仕事にはしたくなかった。

    それが分かったなら、試す前より自分について知っていることは増えているはずです。

    「違った」と分かることも、方向を絞るための判断材料になります。

    一度始めたものを、人生の新しい目標にまで育てなくても構いません。

    自己分析は「唯一の答え」を出すためではなく、候補を増やすために使う

    もちろん、自己分析そのものが役に立たないわけではありません。

    厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」にも、興味や仕事に求める価値観などから自分の傾向を確認できる自己診断ツールがあります。厚生労働省自身も、診断結果として示される職業リストについて、学歴・就業経験・資格などは考慮されていないため、あくまで参考として活用するよう案内しています。

    つまり、診断で出てきた職業を「これが私の答えだ」と決める必要はありません。

    「こういうことに興味があるのかもしれない」
    「こういう働き方を大事にしているのかもしれない」

    と、次に調べる候補を増やすために使えば十分です。

    自己分析してから行動する。
    行動してからもう一度考える。

    その両方を行き来することで、見えてくるものもあります。

    やりたいことを仕事にするかどうかは、あとで決めてもいい

    気になることが見つかったとき、すぐに、

    「これを仕事にできるかな」

    と考えなくても構いません。

    やりたいことの置き場所は、仕事だけではありません。

    趣味として楽しむ。
    学びとして続ける。
    副業として少し収入につなげる。
    ボランティアやコミュニティ活動として関わる。
    創作として続ける。

    そして、本当に仕事として続けたいと思ったら、その時点で転職や独立を検討する。

    この順番でも問題ありません。

    好きなことだから仕事に向いているとは限りません。
    好きなことでも、仕事にすると負担に感じたり、「趣味のまま楽しみたかった」と感じたりすることもあります。

    実際に触れてみると、

    「これは好き。でも、稼ぐこととは分けておきたい」

    と分かることもあるでしょう。

    それも一つの答えです。

    今の仕事を続けながら探してもいい

    やりたい仕事が分からないからといって、次の仕事が決まるまで何もできないわけではありません。

    今の仕事を続けながら、休日に気になる活動を試す。

    短い講座を受ける。
    興味のある分野の人の話を聞く。
    求人を見るだけ見てみる。

    今ある生活をすべて手放さなくても、探索できることはあります。

    仕事について考えたい場合、厚生労働省のjob tagでは興味や価値観などから職業を調べられるほか、厚生労働省委託の「キャリア形成・リスキリング推進事業」では、個人向けのキャリア形成や学び直しに関する相談・支援を無料で提供しています。

    一人で考え続けて堂々巡りになっている場合は、こうした外部の相談先を使うのも一つの方法です。

    周りと比べて焦るときは、「何がうらやましいのか」だけ拾ってみる

    自分にやりたいことがないときほど、やりたいことがはっきりしている人が目につくことがあります。

    仕事に夢中な友人。
    新しい趣味を楽しんでいる人。
    家族との生活を大切にしている人。
    次々に新しいことへ挑戦している人。

    そんな姿を見ていると、

    「みんなはちゃんと人生を生きているのに、私は何をしているんだろう」

    と思うこともあるかもしれません。

    でも、その人と同じ人生を目指す必要はありません。

    比較したときは、

    「その人の何がうらやましかったのか」

    だけを拾ってみます。

    仕事そのものではなく、夢中になれるものがあることがうらやましいのかもしれない。

    趣味ではなく、自分の時間を楽しんでいることがうらやましいのかもしれない。

    独立ではなく、自分で選んで働いているように見えることが気になるのかもしれない。

    そこまで分かれば、その人の人生に追いつこうとしなくても、自分が試してみたい方向を考える材料になります。

    何も決まらないなら、「次に何を試すか」だけ決める

    ここまで考えても、まだやりたいことが見つからないかもしれません。

    それでも構いません。

    今決めるのは、

    「これから何をして生きるか」

    ではなく、

    「次に何を一度試してみるか」

    だけです。

    ずっと気になっていたことを一つ調べる。
    体験できる場所を探す。
    昔好きだったことを一度やってみる。
    興味のある人の話を聞く。

    そして、試したらまた考える。
    続けたいなら続ける。
    違ったらやめる。
    別のものが気になったら、そちらを試す。

    そうやって判断材料が増えていくうちに、少しずつ方向が見えてくるかもしれません。

    大きな目標がない時期があっても、生き方までなくなったわけではない

    10年以上続いた目標を達成したあと、「次に何を目指せばいいのか」が分からなくなったRe:Create.me編集部のライターは、当時、目標のない人生はつまらないのではないかと思っていました。

    それまでずっと、やりたいことを追いかけながら生きてきたからです。

    今、当時の自分に何か伝えるなら、

    「もう少しゆっくりしてもいいよ」

    と言うそうです。

    当時言われても、きっとすぐには納得できなかった。

    でも今なら、

    「大きな目標を追う生き方だけが、人生の過ごし方ではなかった」

    と分かります。

    やりたいことがある時期もある。
    なくなる時期もある。
    いくつも気になるものがある時期もある。

    一つを長く続けることもあれば、少し試して終わることもあります。

    今、やりたいことが分からないからといって、これからもずっと分からないと決まったわけではありません。

    次の大きな目標を無理に探すより、

    今の自分が少し気になるものに、一度触れてみる。

    まずはそこからで十分です。

    今の自分が少し気になるものを、一つだけ挙げてみる。
    まずは調べる、体験できる場所を探すなど、生活を大きく変えないところから始めてみましょう。

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