運動したほうがいいことは、わかっている。
体力の低下が気になる。
座りっぱなしで体が重い。
少し歩いただけで疲れやすくなった気もする。
それでも、運動を始めようとすると気が重くなってしまうことがあります。
ジムに通う自信がない。
筋トレはつらそう。
走るのは苦手。
人に見られながら体を動かすことにも抵抗がある。
「運動できる人は、もともと体を動かすことが好きなのだろう」
そう思って、始める前から諦めてしまう人もいるかもしれません。
けれど、運動が苦手だからといって、自分の体を大切にできないわけではありません。
激しいトレーニングをしなくても、日常の中で少し体を動かすことはできます。
大切なのは、運動を好きになることでも、短期間で体型を変えることでもありません。
今の自分にできる方法で、体が少し心地よくなる時間を増やしていくことです。
この記事では、運動が苦手な方のために、まず始めたい習慣や自宅でできる簡単な運動、運動が続かないときに見直したいことなどを解説します。「苦手だけど、体を動かす習慣が作りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
運動が苦手なのは、意志が弱いからではない

運動と聞くだけで、学校の体育を思い出す人もいるでしょう。
走るのが遅かったこと。
球技がうまくできなかったこと。
人と比べられたり、失敗を見られたりしたこと。
運動そのものよりも、「うまくできなかった経験」が苦手意識として残っていることがあります。
大人になってからも、
「何をすればいいかわからない」
「正しいフォームでできない」
「周りについていけないかもしれない」
と考えると、体を動かすことへのハードルは高くなります。
けれど、健康のために体を動かすことに、運動神経の良さは必要ありません。
速く走れなくても、難しい動きができなくても構いません。
誰かと競う必要も、上手に見せる必要もありません。
昨日より少し歩いた。
長く座ったあとにちょっとだけストレッチをした。
寝る前に肩を回した。
それも、体を大切にする行動の一つです。
「運動」と「スポーツ」は同じではない
運動不足を解消しようと思うと、ランニングや筋トレ、スポーツジムなどを想像しがちです。
しかし、厚生労働省のガイドでは、体を動かす行動を広く「身体活動」と呼び、家事、労働、通勤、買い物などの生活活動と、計画的に行う運動に分けています。
つまり、掃除をすること、歩いて買い物へ行くこと、階段を使うことも身体活動に含まれます。必ずしも、運動用の服に着替えてトレーニングをしなければならないわけではありません。
「運動を始める」と考えると重く感じるなら、
「今日は少し体を動かしてみる」
くらいに考えてみましょう。
運動が苦手な人にとっては、このくらいの曖昧さが、最初の一歩を軽くしてくれます。
運動が苦手な人は何から始める?
運動経験が少ない人は、最初から長時間のウォーキングや筋トレをする必要はありません。
まずは、今の生活の中にある「動けそうな瞬間」を見つけることから始めてみましょう。
座りっぱなしを一度だけ中断する

デスクワークやスマートフォンを見ていると、気づかないうちに長時間座り続けてしまいます。
まずは、一区切りついたタイミングで立ち上がってみましょう。
- 飲み物を取りに行く
- 窓を開ける
- 洗面所まで歩く
- その場で背伸びをする
数分の運動時間をつくることよりも、「座り続ける時間を一度切る」と考えるほうが始めやすくなります。
いつもの移動を少しだけ長くする

ウォーキングを始めるために、遠くの公園まで出かける必要はありません。
- コンビニまで少し遠回りする
- 一つ手前の店まで歩く
- 昼休みに建物の周りを一周する
- エレベーターを待つ代わりに、一階分だけ階段を使う
日常の移動に数分加えるだけなら、運動のために特別な予定を組まなくても続けやすくなります。
疲れている日は、いつもの道に戻して構いません。
毎日同じことをするより、その日の体調に合わせて量を変えることが大切です。
家事を「体を動かす時間」と考える

掃除や洗濯を運動として数えるのは、少し違うように感じるかもしれません。
けれど、掃除機をかける、洗濯物を干す、買い物袋を持って歩くといった家事も、安静にしているときより体を動かしています。
運動する余裕がない日は、家事をしながら体を動かせた自分を認めてあげましょう。
一度に部屋全体を掃除しなくても、今日は床だけ、明日は水回りだけでも十分です。
生活を整えることと体を動かすことを分けず、一石二鳥の気持ちで取り組みましょう。
一曲分だけ体を動かす

時間ではなく、好きな音楽を目安にする方法もあります。
- 一曲流している間だけ部屋を歩く
- リズムに合わせて足踏みをする
- 肩や腕をゆっくり回す
人に見せるダンスではないので、自由に動いて構いません。
曲が終わったら、その日は終わりでも大丈夫です。
「最低でも30分」と決めるより、やめてもいい時間を最初から決めておくほうが、取りかかりやすくなります。
自宅でできる初心者向けの簡単な運動

外に出るのが面倒な日や、人に見られず体を動かしたい人は、自宅でできる簡単な動きから始めてみましょう。
例えば、次のような動きがおすすめです。
- 椅子に座った状態から、ゆっくり立って座る
- 壁に手をつき、軽く腕を曲げ伸ばしする
- 机や椅子につかまり、かかとを上げ下げする
- 肩を前後にゆっくり回す
- 仰向けになり、気持ちよい範囲で手足を伸ばす
最初は5回ほどでも構いません。
「疲れるまでやる」のではなく、「もう少しできそう」と感じるところで終えてみましょう。
運動方法を自分で考えるのが難しい場合は、初心者向けのオンラインヨガやオンラインフィットネスを利用する方法もあります。
自宅から参加できるサービスなら、移動や着替えの負担を抑えながら、画面を見て動きをまねできます。
ライブ形式が緊張する人は、好きな時間に再生できる動画形式から始めるのもよいでしょう。
リアルタイムではなくても、インストラクターが誘導してくれるので、モチベーションを維持しながら運動に取り組みやすくなります。
自宅で、少しずつ体を動かしたい方に
初心者向けのオンラインヨガ・フィットネスを試してみる
運動が苦手な方にとって、自分でメニューを考えることは意外と大きな負担です。 オンラインヨガやオンラインフィットネスなら、自宅でインストラクターの動きを見ながら、少しずつ体を動かせます。
外に出る準備や人目が気になる方も、まずは短いレッスンやストレッチ中心の内容から始めてみると続けやすいでしょう。
公式サイトで詳しく見る※広告を含みます。サービス内容・料金・レッスン内容は時期によって異なります。利用前に公式サイトで詳細をご確認ください。体調に不安がある場合は無理をせず、必要に応じて医師へ相談してください。
運動不足を解消するために大切なのは「続けること」より「戻れること」
運動を始めると、「毎日続けなければ意味がない」と思ってしまうことがあります。
けれど、仕事が忙しい日も、体調がすぐれない日もあるはずです。
数日できなかっただけで失敗だと思うと、再開するのが難しくなってしまいます。
続けることを目標にするより、
「休んでも、また戻ればいい」
と考えてみましょう。
月曜日に歩いて、次に歩けたのが金曜日でも構いません。
一週間できなかったあとに、肩を回すだけでも再開です。
休みながら、何度も戻ってくる。
その繰り返しも、十分に継続できているといえます。
運動が続かないときに見直したいこと

運動が続かないのは、継続力がないからとは限りません。
自分に合わない方法を選んでいたり、最初の目標が大きすぎたりする可能性があります。
最初から頑張りすぎていないか
初日に一時間歩いたり、きつい筋トレをしたりすると、翌日に疲れや痛みが残りやすくなります。
つらかった記憶が残ると、次に始めるときのハードルも高くなりがちです。
最初は「これだけでは少なすぎるかも」と思う程度から始めてみましょう。
物足りなさは、次に動くためのきっかけになります。
好きではない運動を選んでいないか
健康によさそうだからという理由だけで、苦手な運動を続けるのは大変です。
走ることが嫌いなら、歩いてもいい。
筋トレが苦手なら、ヨガやストレッチでもいい。
一人では退屈なら、誰かと一緒に動く。
静かに集中したいなら、自宅で行う。
一口に運動といってもさまざまなものがあります。
運動の種類よりも、自分が嫌になりにくい方法を選ぶことが大切です。
体重だけを成果にしていないか
体重は、食事や水分、体調などによっても変化します。
数字だけを成果にすると、変化が見えないときにやる気を失いやすいです。
運動をしたあとは、
「肩が少し軽くなった」
「外に出たら気分が変わった」
「いつもよりスッキリ寝られた」
など、体や気分の変化にも目を向けてみましょう。
体重を減らすためだけではなく、今日の自分を少し心地よくするために動くことが、苦手な運動を楽しくするポイントです。
運動の目安は、最初から達成しなくていい
厚生労働省の成人向けガイドでは、歩行または同程度以上の身体活動を一日60分以上、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことなどが目安として示されています。
また、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにすることも推奨されています。
ただし、これは誰もが初日から達成しなければならないノルマではありません。
これまでほとんど運動をしていなかった人が、いきなり一日60分歩こうとすれば、負担を感じることもあります。
今日は5分歩く。
明日は座っている途中で立つ。
余裕のある日に少し長く動く。
まずは、今より少しだけ活動を増やすところから始めましょう。
目安は、自分を責めるための数字ではなく、少しずつ近づいていく方向として捉えることが大切です。
動きやすい環境を先につくる
運動を始めるための気力が出ないときは、意志だけでなんとかしようとするよりも、環境を変えるのが効果的です。
歩きやすい靴を玄関に出しておく。
ヨガマットをすぐ広げられる場所に置く。
動きやすい部屋着を選ぶ。
スマートフォンのホーム画面に運動動画を置く。
準備に必要な手順が少ないほど、「少しだけやってみよう」と思いやすくなります。
高価なウェアや道具をそろえる必要はありません。
ただ、好きなデザインのウェアや、肌触りのよい服を着ると気分が上がりやすいです。
運動できる人に見せるためではなく、自分が体を動かしやすくなるものを選んでみてください。
少し動きたい日の、やさしい準備に
家でも外でも使いやすいヨガウェアを選ぶ
運動が苦手な方にとっては、動き始めるまでのハードルを下げることも大切です。 体を締めつけすぎず、ストレッチや軽いヨガをしやすいウェアがあると、家の中でも少し体を動かしやすくなります。
本格的なトレーニングのためではなく、「今日は少しだけ動いてみよう」と思えた日の準備として、心地よく着られるものを選んでみましょう。
公式サイトで詳しく見る※広告を含みます。商品の在庫・価格・キャンペーン内容は時期によって異なります。購入前に公式サイトで詳細をご確認ください。
一人では続けにくいときは、サポートを使ってもいい

何をすればいいかわからない。
自分に合った運動量がわからない。
一人だと、つい後回しにしてしまう。
そんなときは、誰かのサポートを借りる方法もあります。
運動が苦手な人にとって、ジムは少し怖い場所に感じられるかもしれません。
けれど、初心者向けのフィットネスや女性向けのジム、少人数制のスタジオなど、運動経験が少ない人を対象にしたサービスも多くあります。
サービスを選ぶときは、料金や通いやすさだけでなく、
- 初心者向けのメニューがあるか
- 運動量を個別に調整してもらえるか
- 体型や体力に不安があっても相談しやすいか
- 退会や休会の条件がわかりやすいか
- 無理な食事制限を求められないか
などを確認してみましょう。
短期間で自分を追い込む場所ではなく、自分に合う体の動かし方を知る場所として利用することで、運動へのハードルを下げやすくなります。
激しい運動が苦手な方の選択肢に
姿勢や呼吸から整えるピラティスを試してみる
運動が苦手な方にとって、激しいトレーニングはハードルが高く感じることがあります。 ピラティスは、呼吸や姿勢、体の使い方に意識を向けながら、無理のない範囲で体を動かしやすい運動です。
一人では続けにくい方や、初心者向けのサポートを受けながら始めたい方は、公式サイトで詳細を確認してみてください。
公式サイトで詳しく見る※広告を含みます。レッスン内容・料金・店舗情報・利用条件は時期によって異なります。体調や痛みがある場合は無理をせず、必要に応じて医師へ相談してください。
痛みや体調不良があるときは無理をしない
体を動かすことは大切ですが、痛みや体調不良を我慢して続けるのはNGです。
運動中に胸の痛み、動悸、めまい、ふらつき、強い疲れ、関節や筋肉の強い痛み、冷や汗などを感じた場合は、すぐに運動を中止してください。
今日は体を休めたほうがよいと感じるなら、休むことも体を大切にする選択です。
自分の体調と相談しながら、無理のない範囲で続けていきましょう。
なお、持病がある人、運動によって悪化する可能性のある関節や筋肉の問題がある人、薬を服用している人は、運動を始める前に医師などへ相談したほうが安心です。
運動が苦手でも、体を大切にすることはできる
運動が好きになれなくても構いません。
毎日トレーニングをしなくても、スポーツが得意でなくても、自分の体を気にかけることはできます。
長く座ったあとに立つ。
少し遠くまで歩く。
好きな音楽に合わせて動く。
疲れている日は、ゆっくり体を伸ばす。
そんな小さな行動でも、今までより体を動かす時間は増えていきます。
運動は、自分を追い込むためのものではありません。
体型を嫌いになって、罰を与えるように動く必要もありません。
これからも自分の体で暮らしていくために、少し動きやすい状態へ戻していく。
そのくらいの気持ちで十分です。
まずは今日、一度だけ立ち上がってみる。
肩をゆっくり回してみる。
数分だけ外を歩いてみる。
できることが小さくても、それは自分の体を大切にしようとした一歩です。
自分の気持ちや体調と相談しながら、できることを始めていきましょう。
